2025/03/25
DNSのゾーンファイルのシリアル番号は、更新した日付を値として使用するのが一般的ですが、未来の日付など誤った値を設定してしまうこともあります。
そのようなときの選択肢は
このどちらかです。
そのまま運用するのが最も楽ですが、次に更新するときにそのことを覚えていないと、設定ミスにつながります。
1日や2日ほど未来にしてしまったくらいならすぐ追いつくのでまだ良いですが、年単位で誤っていると更新の度にずっと気を付けなければならないので、そういう場合はできれば正しい値に戻したいところです。
しかし、正しい値に戻すには一定の手順が必要です。
個人的にこの手順の理解に少し苦労したので、自分なりにまとめておこうと思います。
さっそく結論ですが、ゾーンファイルのシリアル番号を直す手順は次の通りです。
※DNSとしてはBINDを使用している想定です。
※スレーブ側のサーバを操作できる場合は、スレーブ側のゾーンファイルを一旦削除してしまう方がややこしくないので、スレーブサーバを操作できない、またはいじりたくないという場合の手順になります。
現在のシリアル(誤った値) + 2147483647 = A
A - 4294967296 = B
①Aをシリアル番号として一旦設定して適用
②本来設定したかった値をシリアル番号として設定して適用
①Bをシリアル番号として一旦設定して適用
②本来設定したかった値をシリアル番号として設定して適用
たとえば、現在のシリアル番号が2026032500だとします。
本来は2025032500に設定したかったのを誤って1年先の日付にしてしまいました。
この場合は次のようになります。
2026032500 + 2147483647 = 4173516147
4173516147 - 4294967296 = -121451149
パターン1なので、4173516147を一旦シリアル番号として設定して適用します。
次に、2025032500をシリアル番号として設定して適用します。
これで本来設定しようとしたシリアル番号になります。
押さえておくところは次の3つです。
先に述べたようにシリアル番号には上限があり、無限に増えていくわけではありません。
察しの良い方はお気づきかもしれませんが、その上限が4294967296です。
※正確には、設定できる値としては0~4294967295です。
ちなみに、なんでこの値かというと、シリアル番号が32ビットだからです。
この辺りの小難しい話はなんとなく頭の片隅に置いておくくらいで良いと思います。
では、シリアル番号が上限に達したゾーンファイルは更新できないのか、というとそうでもありません。
シリアル番号が上限を超える場合、また0から数えなおしになります。
※ただし、0は普通無効な値として使われないので、実際には上限値の次には1を設定します。
たとえば、シリアル番号の範囲が0~11までだった場合次のようになります。
このように、シリアル番号はループするようになっているので、今より前の値にするには、つまり1周回って戻ってくればいいわけです。
ゾーンファイルのシリアル番号は更新したら値を大きくするというのが基本的なルールです。
元々のシリアル番号と比較して、値が大きくなっている必要があります。
1000だったものを1001にするのは問題ありませんが、999にするのはNGです。
しかし、上限を超える場合は0から数えなおしになるので、単純に値を比較して元の値より大きければOKというわけにもいきません。
上限値の4294967295と、次に来る1を単純に比較したら、誰が見ても1の方が小さいです。
ここで先ほどのポイント3つ目が出てきます。
シリアル番号が更新されるとき、元のシリアル番号に+2147483647までの値の範囲が「値が大きくなった」と定義されています。
こちらもなんでこの値かというと、+31ビットの値までを「値が大きくなった」という定義にしているからです。
なお、逆に-31ビットの値までが「小さくなった」という定義になっています。
たとえば、これを先ほどと同じく、シリアル番号の範囲が0~11までだった場合で考えてみます。
現在のシリアル番号が3の場合、次のようになります。
図で言うところの「+5までが大きい値」というのが、実際のところでは「+2147483647までが大きい値」ということになります。
ここまでの話を踏まえて、たとえば現在3のシリアル番号を1に戻すとしたら次のようになります。
3→8→1と、シリアル番号がぐるりと1周しているのが分かると思いますが、最初の見出しで述べた手順はこれをやっているということになります。
なお、図を見ると、「どちらでもない」値がありますが、実際の値で言うと+2147483648がこれになります。
この値にすると元々のシリアル番号と比較して、大きくなったのか小さくなったのか判別できないためNGです。
そのため、+2147483647までが大きい値とされる上限値となります。
よくあるというと語弊がありますが、人のやることなので、シリアル番号を誤ってしてしまうことは普通にあります。
そのまま運用してもDNSの機能に問題はありませんが、更新時に気を付けることが増えるという意味で、管理上地味に差し障りがあります。
そういった場合のために、今回のようにシリアル番号を1周させれば戻せるというのは覚えておいて良いと思います。
2025/03/11
こんにちは。営業部の浅見です。
皆さんは「慣れていないと時間がかかる業務」と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。中でも代表的なのが資料作成ではないでしょうか。
実際、弊社でも新人社員がお客様向けの提案資料を作成する際など、資料作成に苦労している場面をよく見かけます。私自身も、資料作成が得意というわけではありません。
そこで今回は、私が実際にMicrosoft365のPowerPoint Copilot機能を使って資料を作成した体験を通して、資料作成が苦手な方の助けになる機能をご紹介したいと思います。
「資料作成=大変」から、「資料作成=楽しい・時短」に変わるきっかけになれば幸いです。
まず、資料作成に時間がかかる主な理由を整理してみました。
このように、資料作成には多くのハードルがあります。しかし、PowerPoint Copilotを活用すれば、こうした課題を大きく軽減できます。
まず試してみたのは、PowerPointに搭載されている「デザイナー」機能です。
これは、作成したスライドの内容に応じて、レイアウトや画像、配色などを自動で提案してくれる機能です。数クリックで、見栄えの良い資料が完成します。
上の図のようにPowerPointの右上にある「デザイナー」をクリック
文字と写真だけのスライドが
フォントや配置を含め、見栄えよくデザインをしてくれます
この機能のおかげで、「見た目で悩む時間」が激減させる事ができました。
デザインも複数のパターンを提案してくれるので、自分の好みにあったスライドに近付ける事ができます。
次に試したのが、Copilotによる自動資料作成です。
今回、以下のプロンプトで試してみました:
どちらも約1分でスライドが完成。かなりの時短になりました。
パターン1
パターン2
どちらも20スライド程度で作成していました。パターン1では概要や歴史、湖の環境保護活動等についてもスライドが生成されていましたが、より具体的な指示を出したパターン2ではより内容に沿った資料になりました。
作成した資料は以下からダウンロードできます。
パターン2「池と湖の違い、日本一深い湖・浅い湖・透明な湖などの特徴紹介、最後に群馬県のおすすめ湖を紹介」
さらに、あらかじめ用意したWordファイルを使って、スライドを自動作成することもできます。
※注意点:見出しをはっきり記載しておくと、意図通りの構成に仕上がりやすいです。
ゼロから作成していた資料がほぼできた状態になるのは大きな時間短縮になります
また、Wordファイルから作成する場合でも、生成AIを使い、文章を作成する事で更に時間短縮が見込めるようになります。
特にフォントの調整等、PowerPointの操作まで、指示を出し、変更ができるようになれば便利だなと感じました。
また、ある程度思い通りの資料を作成する為には、プロンプトを工夫する等の必要があります。
そして、どの方法であっても、最終的には文言の調整や内容が合っているかのチェック等、自分自身で行わないといけないと感じました。
今回、Microsoft365 PowerPointのCopilot機能を実際に使ってみたことで、資料作成にかかる時間が大幅に削減され、「考えること」に集中できる環境が整ったと実感しました。
PowerPointには他にも、要約機能や組織図・フローチャートが簡単に作れるSmartArt機能など、便利な機能が多数あります。
また、最近はPowerPoint以外にも、資料作成をサポートする生成AIツールが次々に登場しています。こうしたツールをうまく活用することで、日々の業務をより効率的に、そして創造的に進められるようになると思います。
今後はExcelやWordでのCopilot活用法や、おすすめ生成AIツールの紹介などもお届けできればと思っております。
弊社では、Microsoft365の導入支援をはじめ、企業の業務効率化をお手伝いしています。ご興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。