(2023年4月現在)最近、ChatGPTが何かと話題ではありますが、皆さんは使いこなしているでしょうか?
業務でも積極的に利用することで、生産性の向上につながると思います。
ChatGPTの他にもなにか有用なAIがないか、マイクロソフトのAIを中心に調べてみましたので紹介できればと思います。
今回の投稿のタイトル「最新AI事情(2023年4月):ChatGPTに加え、マイクロソフトのAIを活用した業務効率化とは?」はChatGPTに考えてもらいました。
マイクロソフトのAI
ChatGPT(OpenAI)に多額の出資を行っているマイクロソフトは検索エンジン「Bing」をAI技術で刷新するとのことです。
また、つい先日2023年3月16日には、「Microsoft 365 Copilot」が発表されました。
Word、Excel、Outlook、PowerPoint、Teamsに対してChatGPTのように対話形式で指示を出し、業務を効率化する目的のツールです。
マイクロソフトの強みである業務に特化したAIの利用となります。
その他では、私も業務で使っているSkypeにもBing AIが組み込まれたようです。
Skypeでの使い方がいまいちよくわからなかったので、AIに使い方を聞いてみたところ、グループチャットに参加させてもよいそうです。
Bing AI
マイクロソフトのブラウザ「Edge」に搭載された対話型AIとなります。
Edgeの他にSkypeにも搭載されました。
Skypeに搭載されたBing AIを1週間ほど使ってみた感想としては、Web上の複数のサイトの情報をもとに対話形式でまとめてくれる感じです。
リアルタイムなインターネット上の情報を元に回答してくれます(引用元も教えてくれます)
Bing検索の対話型検索機能が主となりますので基本的には一問一答となりますが、ChatGPTでは会話を続けることができます。(とBing AIが言っていました。)
Microsoft 365 Copilot
先日発表されたばかりの「Microsoft 365 Copilot」ではどんなことができるのでしょうか?
Microsoft 365(旧Office 365)のアプリケーションに内蔵され、Excelのデータ分析やOutlookでのメール文面の原案作成などを行ってくれます。
PowerPointにも搭載されるので、今までかなり時間のかかった資料作成も短縮されるのではないでしょうか。
Outlookでメールの送信先を間違ったり、お客様の名前を間違ったり、言い回しや誤字脱字チェック、ファイルを添付し忘れたり、別のファイルを添付してしまったり、そんなミスを未然に防いでくれたりしたら大変有効なツールかもしれません。
PC購入時のプリインストール版のOfficeとは明確に差別化され、費用対効果では「Microsoft 365の方が安いよね」という状況になりそうな気配です。
Azure AI
Azure AIが今後マイクロソフトの主力のAIサービスになっていくのではないでしょうか。
Microsoft Azureに組み込まれ、膨大な社内のドキュメントや画像などから潜在的な需要を分析したり、対話型AIでカスタマーサポートを行ったり、資料作成を短縮したり、音声やテキストの言語をリアルタイムで翻訳したり、会議の音声をリアルタイムで議事録作成したりなど様々な用途にすでに使用されているようです。
金融サービスではセキュリティ対策や支払いの自動化
製造業では品質管理や予防メンテナンス
小売業ではカスタマーサポート、在庫管理の適正化
医療では予測治療
などなど
使いこなせばかなりの生産性向上につながる、というか「これを使っていかないと取り残される」感じもしますが、現在の業務をAzureに移行していく必要もあるので導入のハードルは高そうです。
Microsoft AI ラボ
マイクロソフトでは研究しているAI技術をサイト上で紹介しています。
そのなかにいくつか気になるAIがありましたので紹介したいと思います。
Microsoft Math
現在は「Math Solver」というスマホアプリとして提供されています。
PCではブラウザの「Edge」にすでに組み込まれているようで、追加のダウンロードなどせずに使用することができます。
ブラウザ内の右側に常駐して、左側の画面内の画像やテキストの計算式を範囲選択して計算することができます。
CoModGAN
AdobeのPhotoshopで人や物を消して写真を加工する技術がありますが、AIを使ってより自然な写真を合成するサービスのようです。
サイト制作の現場では「電線や電柱を消したい」「通行人を消したい」といった写真の加工を依頼されることがありますのでかなり使えるサービスになるかもしれません。
別のサービスでもありますが、ノイズがのってる写真やサイズの小さい写真を大きくきれいに加工することもできそうなので今後期待できるサービスだと思います。
Sketch2Code
Webサイト制作の手書きのモックデザインから即座にHTMLコードへ書き出すサービスです。コード出力したあと、AIと対話しながら編集・修正ができます。
Code Defect AI
このAIによってプログラム開発の初期の段階からコードを監視し、バグを引き起こしそうなコードを特定してくれるそうです。
GoogleのAIはどう?
ChatGPTやBing AIと同様のAIとしてGoogle Bard(バード = 吟遊詩人)を発表しました。
他社のサービスとどう差別化をとってくるのか注目です。
GoogleのAIのコンセプトは、人々の生活の質を向上させるプログラムであることだそうです。
すでにGooglePixelやAndroid端末、Chrome bookでのGoogleアシスタントで使われています。
カメラを向けるだけで翻訳できる「Googleレンズ」もAI技術が使われています。
また、Googleでは複数のソース(画像や映像、テキスト、音楽)を元に回答を用意するようなAIも控えているそうです。
その他では「人々の生活の質を向上」の観点から、災害予測、天気予測など生活の安全についてのAIが稼働している他、エンタメ方向に強いAIが今後出てくるのではないでしょうか。
AIのセキュリティは大丈夫?
ChatGPTをはじめとするAIはWebサービスですので個人情報の取り扱いに注意が必要です。
入力した情報はサーバー上で保存され、サービス提供元へ蓄積されます。
個人情報やクレジットカード情報、各種アカウント情報などを入力することは控えましょう。
情報漏えいや情報の正確性などの観点から、使用を規制する動きもでてきています。
気になるAIと予想されること
ここから先は私の予想と妄想です。
ChatGPTやBing AIを使いつつ、
現在私が気になるAIは、マイクロソフトから発表されたばかりの「Microsoft 365 Copilot」でしょうか。
「Microsoft 365 Copilot」を使いこなしてから「Azure AI」に移行といった流れが良さそうです。
Copilot(副操縦士)ですので自動でアレコレはできない(しない)ようですが、
ゆくゆくはAzure AIも併用して、
Outlookを使ってサイトからの問い合わせメールや見積依頼メールに対し、過去の送信メール内容を元に「自動で問い合わせに回答する」「自動で見積を作り提案する」「さらに、自社の別のサービスもおすすめする」といった展開から、PowerPointを使って「自動でプレゼン資料を作成し、お客様にプレゼンをする」といったところまでは余裕でできそうです。
そこから先は、お客様を獲得したら「自動で受発注処理を行い、設定資料やマニュアルを用意、納品日調整、請求処理」まで人間が手足を使う業務以外は全部できそうです。
既存のツール(例えばRPA)との組み合わせを模索
数年前から各種サービスも出てきているRPA(ロボティックプロセスオートメーション)と組み合わせたらどうでしょうか?
RPAを使って問い合わせフォームからのメールの内容をチャットAIに入力、
回答をチャットAIで生成する、
回答内容をOutlookメールに貼り付けて返信する、
といったアプリケーションをまたいだAIの活用は、現在の無料のプランの範囲でも可能となりますし、Webサイト上のチャットサポートではすでに同様のサービスを行っています。
Windows11では標準搭載されているRPA(PAD=Power Automate Desktop)と「Microsoft 365 Copilot」や「Azure AI」を連携させることで更に業務の自動化が進むのではないでしょうか。
今後、IT技術者の新しい職種として「AIオペレーター(仮)」が活躍すると思います。職務内容はAIツールや自動化ツール、ノーコードプログラムを駆使して自社や他社の生産性を上げたり、原価を抑える仕組みをいかに作り上げるかといった内容になってくるのかなと思います。(その手法すらAIまかせでできるかもしれません。)
最後に
今回は「ChatGPT以外はどんなAIがあるのかな?」という観点から調べてみたのですが、AIの流れはすぐ近くまで来ていて、すでに仕事に活用している人も多数いるようでした。
私達としては「AIを使いこなして生産性を上げる」のが最初の方向性として考えられますが、その段階は意外とすぐに過ぎてしまうのかもしれません。
AIを社員のように教育して、AI個々が別の個性を持って自分で学習して、各自の判断で仕事をして成果(利益)を出す、そんなAI群を操る人達がでてきそうな気がします。