
2018/07/24 技術系 投稿者:長澤
専用線を新規で開通させた場合、回線の品質・回線に問題がないかという点は、お客様(利用者)の立場からすると気になるところです。そこで行うのが回線品質の測定です。回線品質の測定は専用のテスタを使って行います。測定内容は使う機種により様々ですが、今回は「フレームロス、遅延時間、ゆらぎ、帯域(スループット)」を測定しました。
※専用線は、ある2地点間で通信するために引かれる専用の通信回線のことです。
通信が途切れることが少なく安定していることや、外部への情報漏洩を防げることが特徴です。
企業では本社と支店を結ぶ為などに利用しています。
今回はダークファイバーを専用線として開設し、実測した結果の一部を紹介します。
ネットワーク・測定構成
専用線を使った拠点間ネットワーク環境になります。
専用線の契約では最大1Gbpsの通信速度で契約しています。
測定方法
今回の測定で使ったのが「AccesssOne FE/GbE L2 TESTER 1070A」になります。この機種では「フレームロス、エラー、遅延時間、ゆらぎ、帯域(スループット)」が測定できます。また、測定したデータは本体に保存し、USB経由でパソコンにCSVデータとして取り込め大変便利です。
本社と支店にそれぞれ測定器を設置し測定を行いました。
テスタの設定は主に
- インターフェース
- 速度
- 送信元
- 送信先
- サイズ(byte)
- 送信時間
を設定します。ここで重要なのが「サイズ(byte)」になります。「サイズ(byte)」は測定フレームのサイズを指定します。フレームサイズを短くすると送信するフレーム数が多くなり、フレーム処理する負荷が高くなるため、接続機器(SW等)の負荷テストに適しています。
また、フレームサイズを長くすると回線を流れる情報の割合が大きくなるため、伝送路エラー試験に適しています。
今回のサイズ指定は「64」「1,518」「9,600」の3パターンで測定しました。
測定結果
■測定データ
上記結果からデータサイズ:9,600時の最大送信帯域(bit/s)が997,889,232とあるので、約997Mbpsの速度で送信できていることが分かります。また、データサイズ:9,600時の最大受信帯域(bit/s)も約997Mbpsで相手先からデータの受信ができています。データの損失数も0となっており回線の品質としては非常に安定した高速な回線であることがわかりました。
まとめ
回線の品質測定では専用のテスタを使用しなければ分からないことが沢山あります。今回のように専用線など回線品質を測定しなければならない場合、専用テスタを使って測定しデータを提示することでお客様は安心を得ることができます。また、弊社としても回線品質のエビデンスを取っておくことは品質管理をする上でも重要だと感じました。