「ユーザーデータとイベントデータの保持」は「自動的に期限切れにならない」に設定すべきか?
急いで設定を変更しないと集計レポートデータが消されてしまう!
4月12日、Google アナリティクスから「ご対応ください」という題名付きのメールが届いてから事業部内がザワつきました。
どういうことでしょうか。まず案内された設定画面を見てみましょう。
手順はこちら:
1.Googleアナリティクスにログインする
2.画面左下にある「管理」ボタンをクリックする
3.「アカウント」を選択する
4.「プロパティ」を選択して、メニューから「トラッキング情報」をクリックする
5.サブメニューから「データ保持」をクリックする。
確かにページに、
「注: これらの設定は2018年5月25日に有効になります」
という恐ろしい文字が書かれています。ところが、アナリティクス ヘルプによりますと:
Google アナリティクスのデータ保持コントロールを使用すると、保存されたユーザー単位やイベント単位のデータがアナリティクスのサーバーから自動的に削除されるまでの期間を設定できます。
標準の Google アナリティクス集計レポートには影響はありません。
データの保持 | アナリティクス ヘルプ
つまり、皆さんが心配していた集計レポートデータは削除されません。
設定によって定期的に削除されるのは「ユーザーデータ」と「イベントデータ」のみです。集計レポートには影響しません。
もっと簡単に言いますと、訪問者個人情報の保存期間と同じIDを持つ訪問者が常に同一人物として認識するかどうか(常連か新規か)の設定です。「常連」の場合は、訪問者個人情報の保存期間が自動的に延長されます。
なので必要に応じて設定して頂いて構いませんが、特別な理由がなければデフォルトの「26ヵ月」と「オフ」のままにしておきましょう。
今回の変更の背景は、GDPRの施行にあります。
「GDPR」(General Data Protection Regulation、一般データ保護規則)とは、ヨーロッパ連合(EU)において、2018年5月25日から施行される、個人情報保護に関する新しい規則です。「欧州経済地域(EEA)内のすべての市民に関連する個人情報を保護する」ことを目的に、法制度の整備、情報の保護と権利確保、取り扱いの整備を行う規則で、個人情報としては「氏名、写真、メールアドレス、銀行口座情報、ソーシャルネットワークサービスにおける投稿、診療記録、IPアドレス」等、多岐にわたる情報が含まれると定義しています。
2018年5月から施行の新規則「GDPR」、EUだけでなく国内企業にも影響大 | is702
つまり、EUの新規則によって個人情報の取り扱いが厳しくなりますので、Google アナリティクスはその対応をします。ということでした。
何も考えずにとりあえず「自動的に期限切れにならない」に設定しておこうという行為はマナー上は良くないので、自社の需要から正確に判断してから設定しましょう。
まとめ
・Google アナリティクスからのメールを読んで慌てて設定変更をする必要はありません。
・デフォルト値は「26ヵ月」になっていますので、Cookie、ユーザーの識別子(例:ユーザーID)、広告IDなどの個人情報を長く保持したい場合は、保持期間を適宜変更しましょう。