こんにちは、営業部の都丸です。
今回は個人用PCを『Copilot+PC』に買い替えましたので、使用感をご紹介します。
Qualcomm製Snapdragon X Eliteを搭載している点も含めてお伝えします。
『Copilot+PC』とは
『Copilot+PC』は、従来のPCと比較してAIを活用した作業を劇的に効率化する次世代のPCです。
『Copilot+PC』として必要なスペック
- マイクロソフトが承認したCPUまたはSoCを使用
- 40TOPS(1秒当たり40兆回)以上の処理性能を持つNPUの搭載
- 16 GB RAM / 256 GB SSD
以上を達成しているPCが『Copilot+ PC』として認定されています。
購入PCについて
以前はSurface Pro7を使用しており、とても気に入っていたので後継のSurface Proを改めて購入しようと考えていました。
しかし、タッチディスプレイをあまり使わなくなったこともあり、タブレット型ではなくてもいいのかなと思うようになりました。
『Copilot+PC』が発表され、ARM版という事は知っておりましたが、PCでの作業がWebアプリを使用することが大半だったので、インターネットに接続できる環境であれば、ARM版で以前のPCと互換性がなくても変わらず使用できると考え、この機会にARM版Windowsで『Copilot+PC』にしてみようと思い選択しました。
【商品名】ASUS Zenbook SORA (UX3407RA-HA32570BE)
【CPU】Snapdragon X Elite X1E-78-100 12 CPUコア / 最大3.4 GHz
【NPU】Qualcomm Hexagon NPU 45 TOPS
【メモリ】32 GB
【ストレージ】512 GB
【ディスプレイ】14インチOLED(有機EL) グレア
【サイズ】幅310.7mm×奥行き213.9mm×高さ13.4~15.9mm
【バッテリー容量】70Wh
【質量】約980g
選択理由
選定理由を優先順位で 以下に記します。
- 軽量性
外出先で使用することが多いことから軽いものを選択肢として考えました。 - 素材
ASUS独自開発の素材、Ceraluminum™(セラルミナム)は、セラミックとアルミニウムを融合した特殊合金です。耐摩耗性・耐スクラッチ性・耐衝撃性に優れていること、他製品にはない、珍しさに魅力を感じ選定しました。 - バッテリー駆動時間
最大29時間の駆動が可能で、外出先での長時間作業にも安心して使用できると考え選定しました。
Snapdragonとは
2024年6月18日に発売開始された『Copilot+PC』ですが、当初はARM版Windows搭載のQualcomm製Snapdragonプロセッサ採用PCしかありませんでした。
ARMとは、「Advanced RISC Machine」 の略であり、(RISC=Reduced Instruction Set Computer)CPUの命令を単純化・高速処理を実現するためのアーキテクチャです。
ARMアーキテクチャは低消費電力設計で、バッテリー駆動時間が長いのが特徴です。また、ファンレス可能な設計のため発熱が少なく、静音性に優れています。
現在WindowsPCで主流のIntel・AMD製CPUは、CISCと呼ばれ(Complex Instruction Set Computer)単一の命令で複雑かつ複数の処理を実行できるように設計されています。Intel・AMDが提供するCPUアーキテクチャx86_64とは互換性がないため、アプリやシステムが動作しないということがあります。ちなみにApple社はARMベースで独自のCPUを使用しています。
SnapdragonはQualcommが開発するSoC(System-on-a-Chip=スマートフォンやIoT機器に必要なCPU、GPU、通信機能などを1つのチップに統合した技術)で、スマートフォンやタブレット向けで数多く採用されており、各種機能を集約し、小型化・軽量化・省電力を実現しています。
近年ではPC市場にも参入しており、Snapdragon X搭載としてARMアーキテクチャを採用し、消費電力の低さという大きな利点を持ちます。
そして今回搭載のSnapdragon X Elite X1E-78-100は以下の性能を有します。
性能スペック
- コア数:12
- キャッシュ:42MB
- 最大周波数:3.4GHz
- 内蔵GPU:クアルコムAdreno GPU
- NPU TOPS:45TOPS
- 標準TDP:23W
『Copilot+PC』で、できることをやってみた
コクリエーター
- 概要
Microsoft ペイント上でAIアシストを受けながらイラストを制作できる機能です。
テキストプロンプトやスケッチを入力すると、サイドウィンドウにAI生成アートワークが表示されます。 - 使い方
1.ペイントを開いてCopilotからコクリエーターを選択します。
2.テキストボックスにプロンプトを入力した文字で画像を生成できます。
3.スライダーを動かして創造性レベルを調整できます。
創造性レベルが低いほど、AI入力が少なくなり、画像出力は一部分にとどまります。
創造性レベルが高いほど、AI入力が増え、出力はより想像力豊かで多様になります。
また、生成した画像を下記の5つの中から選んで生成できます。
リコール
『Copilot+PC』の発表時に紹介されてはおりましたが、実装されていなかったリコール機能が、2025年4月25日付でついに実装されました。
- 概要
PC上での操作を定期的にスクリーンショットで記録し、テキスト化して検索可能なデータベースに保存する機能です。 - 要件
空き容量50GB以上
空き容量が25GB下回ると自動一時停止
デバイス暗号化またはBitLocker有効化
Windows Hello生体認証登録 - 使い方
[スタート]→[すべてのアプリ]→[リコール]またはタスクバーのアイコン/Windowsキー+J
(初回起動や設定変更時はWindows Helloで本人認証が必須)
リコールでは過去ユーザーが画面に表示した内容、開いたアプリケーション、閲覧したWebサイト、作成・編集したドキュメントの内容まで、時系列にスナップショットとして数秒ごとに記録されます。ただし、スナップショットに保存されるアプリやWebサイトは常に制御でき、スナップショットを削除したり、一時停止したり、いつでもオフにしたりすることもできます。
まとめ
『Copilot+PC』は、AI処理を専門にしたNPUを搭載しているのが特徴で、ローカルでAI処理できるのが強みとなっています。
ただし、コクリエーターや、リコールはインターネット接続が必要なため、完全なオフラインでの利用はできませんでした。
現状、コクリエーターは利用機会が限られますが、リコール機能はテキスト検索でスクリーンショットやアプリ履歴を簡単に遡れるため非常に実用的と感じました。
Zenbook SORAは日本市場向けに薄型・軽量化と長時間駆動を両立したモデルで、仕事以外の時間で4日~5日間連続で1日3時間程度使用しても、バッテリーが0になることはありませんでした。
49分で60%充電と謳われていることもあり、少しの時間充電するだけでも安心のバッテリー駆動時間を維持できます。
また独自の素材であるCeraluminum™(セラルミナム)に関しても、熱を感じることがなく、金属に近い感触があります。また1kgを切る軽さなので、重いと感じることなく持ち運びできます。しかしながら、x86_64とは互換性がないため、アプリやシステムが動作しないこともありますので、Intel・AMD製CPU搭載PCからの買い替えは注意が必要です。
AI機能を使いこなせていない感がありますが、スペックには申し分なく非常に良い買い物をしたと感じています。